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皆様の安心と安全のために

安全・品質の確保

NTT都市開発は2009年8月、安全・品質の考え方や取り組みなどを、「安全・品質方針」として各主管部門の連携により制定しました。同方針は、お客様の安全確保を最重要課題として取り組み、企画、設計、管理など全てのプロセスにおいて、品質の維持・向上に取り組む姿勢を明確にしています。

「NTT都市開発 安全・品質方針」(2009年8月制定)

私たちは、誰もが安心して安全に過ごすことができる高品質な建物・サービスの創造を通じて、快適空間を提供します。
「今」、「将来」、そして「いざ」という時の安全を確保し、企画、設計、建設、管理に至る全てのプロセスにおいて、品質の維持・向上に取り組みます。

活動指針

  1. お客様の期待・ニーズに応えるため、時代の変化を敏感に捉え、継続的な安全・品質確保に取り組みます。
  2. お客様の安全を確保することを最重要課題として捉え、諸施策に取り組みます。
  3. 高耐久性、高信頼性、高機能性などの確保に取り組むとともに、災害対策、防犯・セキュリティ対策、維持保全、ユニバーサルデザイン等を推進します。

BCP(事業継続計画)策定と推進

NTT都市開発は、提供する各オフィスビルにおいて、災害発生時の人的・物的被害を最小限に抑え、テナント様にとっての重要業務を早期に回復することを目的とするBCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)を策定しています。特に、大規模地震や、集中豪雨や津波等の大規模災害に着目しています。

当社では、かねてより建物躯体や重要設備機器などの耐震対策や浸水対策を講じてきましたが、東日本震災以後のオフィスニーズの変化を捉え、さらに広い視点から対策を検討し、順次進めています。そのために立ち上げた組織横断的な「BCP検討ワーキンググループ(WG)」では、従来型の「防災」から、「事業継続」を重視した対策へのシフトに取り組んでいます。テナント企業様がより多くの関係(ヒト・モノ・コト)を継続するための強固なネットワークの整備が重要だとの認識に立ち、ハード・ソフト両面から、各ビルに必要な対策を一から洗い出しています。

安心・安全(耐震・水防対策と防災活動)

災害発生時において、各オフィスビルには、テナント従業員の皆様や訪れる来館者の方々の安全・安心の確保が何よりも求められます。
当社では、各ビルの建物躯体の耐震性を確認することに加え、避難エリア・重要室の天井の耐震、エレベーターの耐震、建物の浸水対策などに取り組んでいます。また、大地震発生時における建物躯体の被災度を判定するシステムの導入も進めています。
また、防災体制や避難誘導手順の整備と周知、防災訓練やセミナーの開催、防災ガイドブックの配布といった防災活動も、各ビルの状況に応じて実施しています。

事業継続(ライフラインの確保)

災害発生時の事業継続には、建物の使用が続けられることに加えて、各種ライフラインを確保することが鍵となります。
2015年5月にグランドオープンした「品川シーズンテラス」(東京都港区)をはじめとする最新のビルでは、大規模災害による広域停電に備えて非常用発電機を設置し、共用部の防災機能維持とテナント様専有部への電力供給を72時間可能にしています。また、既存のビルにおいても、非常用電源の強化・多重化に取り組んでいます。
さらに、相当数のビルでは太陽光発電を導入し、非常時への対策としつつ、日常的には省エネルギーに配慮したオフィスを提供しています。
水の供給、排水経路の確保も不可欠です。断水対策として、井戸水や中水(上水として一度使用した水の再利用水)の利用を可能にするための設備なども整備しています。
また、緊急時対応としてマンホールトイレの設置や非常用排水層の設置も進めています。
平常時はもちろん、非常時の通信手段の確保や、的確な情報提供を行うため無料Wi-Fiサービスの提供などの施策を行っています。

地域復興(非常時の都市インフラ構築)

オフィスビルには、地域や近隣企業との共助、相互扶助への積極的貢献も期待されています。
当社では、防災備蓄倉庫の設置と配備品(防災用応急復旧機材、エレベーター内の防災キャビネット、簡易トイレなど)の確保や、行政機関と連携した帰宅困難者へのサポートも進めています。
万が一の際はテナント様への支援のみならず、地域防災への貢献にも注力します。

こうした当社の新たなアプローチを伝えるためのコンセプト「つながるBCP」も新たに打ち出しました。
今後も、新たな要請を反映しながら、BCPを発展させ、当社ビルを利用される皆様の安全・安心につなげていきます。

BCP対策の実施(秋葉原UDX)

秋葉原UDX(東京都千代田区)では、2014年度にBCP対策を実施し、首都圏直下型地震やゲリラ豪雨などの自然災害に備えています。
実施したBCP対策は、①CGS(コージェネレーションシステム)を活用したオフィス専有部等への非常用電源供給、②井戸設置により地下水を活用した中水等の供給、③駐車場入り口等の水防対策、④RDMS(リアルタイム防災システム)を活用した秋葉原UDXのピンポイントでの震度情報の提供の4点です。

  • 水防シート設置前の駐車場入り口の写真
    水防シート(設置前)
  • 水防シートが設置された駐車場入り口の写真
    水防シート(設置後)

これらにより、非常時には電力、中水ともに供給され、テナント様の安心・安全や事業継続に貢献します。
また、同ビルの立地が洪水ハザードマップにおいて浸水深1?2メートル区域に該当することから、出入り口に水防シートや土のう、防水壁といった対策を実施しました。
さらにリアルタイム防災システムは、地震発生時、建物内に設置している振動計の情報をもとに、地震による建物への影響を瞬時にシミュレーションし、発生情報や震度、最大加速度、施設の点検要否・点検対象設備、地震計測データなどの管理サポート情報も含め計測するものです。
計測結果のうち震度については、テナントのBCP担当者様宛など、登録されたメールアドレスに自動配信されます。
テナント様が地震発生時に正確な状況を把握できることで、従業員の皆様の安全確保はもちろん、事業継続に向けた対応を検討するなど、BCP対策に貢献できるものと考えています。

商業施設における安心・安全の実現に向けて

京都市より頂いた表彰状の写真
表彰状

NTT都市開発は、2013年3月に「商業施設運営管理マニュアル」を制定し、商業施設の運営管理担当者にとっての防火・防災に関する基本的ガイドラインを示しました。2014年3月には、このガイドラインに基づいた別冊として「商業施設における災害時等行動マニュアル」を製作し、運営管理担当者がより実践的な消防・防災活動等に取り組むことができるよう、商業施設における災害等の予防・軽減対策、発生時の行動ポイントを明確にしました。
新風館(京都市中区)では、日頃の取り組みが評価され、京都市より表彰を受けました。同ビルでは年に2回、消防署の指導のもと実践的な避難誘導・消火訓練を全テナント様参加で実施しています。そうした日頃の自主防火管理が認められ、2014年3月7日の「消防記念日」にあたり、表彰されたものです。

京都支店担当と新風館防災センター担当の集合写真
京都支店担当と新風館防災センター担当

商業施設は不特定多数の方がさまざまな目的で訪れる場所であるため、テナント様だけでなく、地域住民の方々や施設利用者の皆様にも対応した防災対策が必要とされます。
NTT都市開発では、防災備蓄倉庫の充実や帰宅困難者の受け入れ準備、情報発信など、災害時においても商業施設らしい地域の役割を担えるよう、体制構築に取り組んでいます。

住宅における安心・安全の実現に向けて

非常用飲料水生成システムの写真
非常用飲料水生成システム

NTT都市開発は、東日本大震災を契機に、分譲・賃貸マンションの防災対策を幅広い視点から見直し、各物件に適した対策を講じています。
アーバンエース五条公園パル(大阪市天王寺区)やウェリス鶴見緑地(大阪市鶴見区)では、非常用電源として太陽光発電を利用しています。
また、ウェリス桜山(名古屋市昭和区)、ウェリス星ヶ丘(名古屋市名東区)は、水道断水時にも利用できる折りたたみ式「マンホールトイレ」を設置しています。さらにウェリス星ヶ丘には、平時には憩いの場として使用するベンチが調理用のかまどに早変わりする「かまどベンチ」などの備えも設けています。
さらに、ウェリス稲毛(千葉市稲毛区)では、これらに加え、ふだんは住民の皆様のコミュニケーションに活用いただけ、災害時に炊き出し用かまどとなる「ピザ窯」、防災井戸、非常用飲料水生成システム、AEDなど、各種の防災設備を整備しています。

今後も起こりうるさまざまな災害を想定し、暮らしに安全・安心をもたらす取り組みを行っていきます。