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地球温暖化対策

オフィスビル・商業施設における地球温暖化対策

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書は、地球温暖化対策の重要性と緊急性を明らかにしており、主要国の政府は長期的な温室効果ガス排出削減目標を策定・発表しています。NTT都市開発グループにおいても、オフィスビルや商業施設における省エネ・CO2排出削減や自然エネルギーの導入を着実に進めていかなければなりません。

NTT都市開発グループは、ビルを設計するにあたり、構造、使用する材料、空調や照明をはじめとする各種設備、制御システムなど、総合的な視点で省エネ性能の向上に取り組んできました。ビルの管理にあたっても、エネルギー使用量の"見える化"を進めることをはじめ、きめ細かい配慮で省エネを推進しています。ビルの省エネを効果的に進めるには、ユーザーであるテナントの皆様のご協力が不可欠なため、情報提供を行う、定期的なミーティングの場を設けるなど、それぞれのビルに応じたコミュニケーションと連携に努めています。ライトダウン(後述)のような啓発イベントも含め、テナント様との協働にさまざまな形で取り組んでいます。

また、ビルの屋上等に太陽光発電システムを設置する取り組みも、個別の状況に応じて継続的に進めています。
自然エネルギーによる電気の環境付加価値を取引可能にする「グリーン電力証書制度」も活用しています。商業施設である基町クレド(広島県広島市)やクレド岡山(岡山県岡山市)では、クリスマスイルミネーションなどにグリーン電力を使用し、経済産業省資源エネルギー庁の「グリーンエネルギークリスマス」にも参加しています。

こうした取り組みにおいては、エネルギー使用量(原単位)を中長期的に年平均1%改善することを総合的な目標として設定しています。2014年度におけるNTT都市開発のビル稼働面積あたりのエネルギー使用量(原油換算)は、37.94l/m2(2013年度からは3.7%の改善)となりました。

なお、第三者によるエネルギー使用量データの検証については、東京都条例に基づき主要4ビルにおいて実施しています。

エネルギー使用量の推移

年度 2012 2013 2014
エネルギー使用量(原油換算)(kl) 57,642 56,432 55,997
原単位(l/m2 38.94 39.41 37.94
CO2排出量(t-CO2 99,358 102,151 101,725

クリスマスツリーでの省エネ対策(基町クレド、クレド岡山)

イルミネーションの点灯した、基町クレド・クリスマスツリーの写真
基町クレド・クリスマスツリー

NTT都市開発では、街の賑わいを演出するイルミネーションにも、省エネ・資源エネルギーを活用する取り組みを進めています。
例えば基町クレド、クレド岡山ではLEDやエコエネルギーによるクリスマス・イルミネーションが街を彩っています。

2014年基町クレド・クリスマスツリー点灯イベントではライブイベントを行い、会場のお客様とともにカウントダウンを行って、ツリーと周辺一帯のイルミネーションを点灯しました。ピンク色など暖かい色合いを中心とした約12万球のLEDが街を華やかに彩りました。
このイルミネーションの電力はグリーン電力を活用し、経済産業省資源エネルギー庁の「グリーンクリスマス」に参加しました。

クレド岡山のクリスマスツリーは、ピンクと白を基調とした高さ9メートルのツリーでした。点灯イベントでは近隣の幼稚園の子どもたちをゲストに迎え、元気いっぱいのカウントダウンで、4万7000球のLEDを点灯、こちらのツリーも温かな光で街を包みました。

ツリーに使われた電力の一部は岡山県下の太陽光発電「おかやまさんさん発電所」のグリーン電力を使用し、基町クレドと同じく「グリーンエネルギークリスマス」に参加しています。

NTT都市開発では今後もこうした地域の皆様とのふれあいを通じ、省エネルギー対策、地球温暖化対策に努めます。

  • クリスマスシーズンの機会に事業活動や関連のイベントなどで使う電気や熱の一部に、太陽光、風力など自然由来のグリーンエネルギーを使う取り組み。

住宅における地球温暖化対策

NTT都市開発が2010年に策定した「ウエリスコード」では、「環境創造」を重要分野の一つとして位置づけ、省エネ対応の照明器具の採用、常時点灯の必要がない人感センサー付き照明の導入、エネルギー使用状況の表示パネルの設置といった基本的な対策を示しています。このほかにも、断熱性能の強化、効率的 なエネルギーシステムの採用など、物件に応じた省エネ仕様を導入しています。

さらに、2012年からは、新たな仕様を取り入れた環境配慮型マンションを開発しています。風・光・水・緑を活かすエコデザイン、シェアリングサービス、エネルギー消費の見える化、カーボン・オフセットといった切り口から、従来のマンションとは一線を画する物件の提供に取り組んでいます。

テレビモニタの前で環境ビデオを観る、ウエリスオリーブ新小岩の住人の方の写真
環境ビデオの鑑賞(ウエリスオリーブ新小岩)

一例として、サービス付き高齢者向け住宅の「ウエリスオリーブ新小岩」(東京都葛飾区)では居住者の皆様の日常生活に伴うCO2排出量として、1世帯あたり5トン(1世帯あたりの年間CO2排出量の100%相当)のCER(認証排出削減量)を償却し、カーボン・オフセットを実施しています。2013年度と同様に、2014年度分として全45世帯×5トン=225トンのクレジットを2014年12月に償却しました。ウエリスオリーブ新小岩では、このような取り組みを入居者の皆様やご家族に理解していただくとともに、環境問題について考えるきっかけをつくるため、「エコ・パーティー」の開催などさまざまな取り組みを行っています。

環境負荷低減エネルギーを全戸に採用した分譲マンション(ウエリス浦和美園サウステラス)

ウエリス浦和美園サウステラス(埼玉県さいたま市)では、分散型エネルギーによる環境負荷低減をめざし、マンション向け家庭用燃料電池「エネファーム」(以下「マンション向けエネファーム」※1)を全戸に採用しています。

当マンションは、「マンション向けエネファーム」を採用した全国の分譲マンションのなかでも最大規模であり、さらに埼玉県内において初めて「マンション向けエネファーム」を採用※2したマンションです。

モデルケースでは、定格発電時に約49%のCO2排出削減を実現しました。住まいにおける環境負荷低減、エネルギー利用に配慮した暮らしに貢献していきます。

  1. ※1都市ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、その電力や熱を家庭内の電気や給湯に利用するシステム。
  2. ※2東京ガス調べ:2015年2月1日現在

低炭素型社会の構築に向けて(ウエリスつくば研究学園テラス、ウエリスつくば研究学園レジデンス、ウエリスつくば竹園)

ウエリスつくば研究学園テラスの外観写真
ウエリスつくば研究学園テラス

NTT都市開発では、スマートマンション、スマート住宅の普及にも取り組んでいます。「ウエリスつくば研究学園テラス」(茨城県つくば市)は、つくば市が「コミュニティ型低炭素モデル街区」に位置づけるエリア内に誕生した、当社初のスマートマンションです。
本計画においては、国土交通省の「平成24年度まち・住まい・交通の創蓄省エネルギー化モデル構築支援事業」に選定され、低炭素型ライフスタイルの実現をめざしています。
また第二弾として「ウエリスつくば研究学園レジデンス」(茨城県つくば市)を現在、事業推進しております。官民一体の街づくり、NTTグループと連携した一括受電システムやMEMS(マンション・エネルギー・マネジメント・システム)・HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の導入によるマンションのエネルギーの見える化など、先進の技術を取り入れています。

NTTグループのほか、日立ライフ、長谷工コーポレーションとの共同事業である「ウエリスつくば竹園」(茨城県つくば市)でも同様に、スマートマンション、スマート住宅の普及に努めています。

ライトダウンの取り組み

NTT都市開発では、環境省が主催する「ライトダウンキャンペーン」に、毎年約24のビルなどが参加しています。夏至と七夕の両日に、テナントの皆様にもご協力いただき、可能な範囲で照明のライトダウンを行うというものです。

これまでもオフィスのこまめな消灯や無理のない節電を継続してきましたが、今後も地球環境保全や省エネへの意識を高め、積極的に取り組んでいきます。