NTT都市開発株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 辻上 広志、以下「NTT都市開発」)と、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長 牧内 貴文、以下「NTTスマートコネクト」)は、京都五花街の一つである宮川町における伝統伎芸とICTの新たな共存価値の創出と街の記憶の継承を目的に、仮想空間プラットフォーム「DOOR」※1を用いて、2022年に解体した旧宮川町歌舞練場(以下、「旧歌舞練場」)をメタバース空間※2に再現し、本日2023年3月28日(火)より一般公開しましたのでお知らせいたします。

(ホール内部)

取り組み背景
1916年に建てられた旧歌舞練場(京都市東山区宮川筋)は、「元新道小学校跡地活用計画」の一部として2022年7月に建て替え新築工事に着手しました。新築建物には一部部材を活用し、100年を超えて宮川町の象徴となっていた大屋根のデザインを継承しております。
本取り組みは、さらにデジタルの活用により宮川町の歴史・文化を保存し、新たな文化発信・交流スペースを創出することをめざし、メタバース空間に歴史的に貴重な旧歌舞練場の一部を再現(建物デジタルアーカイブ)・公開するものです。
メタバース空間上のコンテンツについて
今回の旧歌舞練場の再現には、3次元計測技術を使用して現存中に旧歌舞練場全館を計測・収集した3D点群データ※3を活用することにより、天井の高さや舞台の大きさも当時と変わらない高精細な3Dデータとして再現いたしました。
再現された本空間内で参加者は、歌舞練場内のホールをアバターとなって自由に移動し、音声会話やテキストチャット等により交流することができ、新たなコミュニケーションスペースとして利用いただけます。なお、公開期間中に本空間上で対話型オンラインイベントの実施も検討していきます。

建替えのため解体
街の記憶・大屋根上
を空中散歩お稽古場等の内部見学
(360度画像)

(360度動画)舞台、観客席など
ホール内を自由に移動内覧
本空間内では、参加者が楽しめる映像コンテンツとして、解体前の歌舞練場において360度カメラで撮影した「第71回京おどり」のアーカイブ映像や芸舞妓さんのお稽古映像など、メタバース空間ならではの高臨場感な体験をお届けします。また、舞妓さんのお化粧の風景など花街文化の日常もVRコンテンツとしてご覧いただけます。


360度動画で順次公開予定
各社の役割
今回の取り組みは、新たに生まれ変わる宮川町歌舞練場の竣工後において、リアルとバーチャルを融合しながら、花街文化を発展させるための、新しいツール作りのスタートとなります。
企業 | 主な役割 |
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NTT都市開発 |
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NTTスマートコネクト |
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NTT都市開発は、これからも街づくりパートナーとして地域の皆さまの思いに寄り添い、エリア価値向上や課題解決に向けた取り組みを推進してまいります。
NTTスマートコネクトは、”Value Platform Partner”としてNTTグループのXR技術を活用し、旧歌舞練場のような文化的価値の高い建築物を中心としたデジタルアーカイブの取り組みをさらに推進してまいります。
旧宮川町歌舞練場メタバース概要
本お知らせに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
- ※1DOORは、株式会社NTTコノキューが提供する仮想空間プラットフォーム。ユーザーはあらゆる端末からバーチャル空間へ簡単にアクセスし、アバターでコミュニケーションを行い、さまざまなコンテンツを楽しむことが可能。(URL:https://door.ntt/)
- ※2インターネット上に存在する仮想的な空間。多人数が参加可能でユーザーはアバターと呼ばれる分身を操作して空間内を自由に移動し交流することが可能。
- ※33Dレーザースキャナで計測した座標と色情報を持つ無数の点からなる3次元データ。 土木建築分野での測量にも使われ、ミリ単位で実物を再現可能なデータ。今回の旧歌舞練場の再現にあたっては、数多くの3D計測実績をもつクモノスコーポレーション株式会社の技術・ノウハウを活用している。NTT都市開発は、再開発中の元新道小学校旧校舎の3D点群データも取得済み。現在、そのデータ有効活用方法も検討中。
【お問い合わせ先】
NTT都市開発 開発本部 商業開発部:桑原
TEL:03-6811-6329 t.kuwahara@ntt-us.com 9:30~16:30(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)
NTTスマートコネクト
メディアビジネス部担当:笹原、三田
TEL:06-6147-5191 realive360-ml@nttsmc.com 9:30~16:30(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)
【関連リリース】
- 「(仮称)元新道小学校跡地活用計画」着工 宮川町歌舞練場の大屋根デザインを継承、2025年「カペラ京都」開業予定 (2022年8月24日) https://www.nttud.co.jp/news_pdf/news_220824_001.pdf
- 元新道小学校跡地活用における京都市との基本協定書締結について(2020年12月8日) https://www.nttud.co.jp/news_pdf/news_201208_001.pdf
(参考)
元新道小学校跡地活用計画概要
所在地 | 京都府京都市東山区大和大路通四条下る四丁目小松町130番、125番1 京都府京都市東山区新道通団栗下る二丁目下柳町165番 京都府京都市東山区宮川筋四条下る宮川筋四丁目306番 他15筆 |
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敷地面積 |
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延床面積 |
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構造規模 |
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客室数 | 92室(予定) |
主要用途 | 宿泊施設、劇場、地域施設等 |
事業者 | NTT都市開発株式会社 |
設計監理 | 株式会社大建設計 |
施工 | 熊谷組・古瀬組特定建設工事共同企業体 (構成員:株式会社熊谷組、株式会社古瀬組) |
着工 | 2022年7月 |
竣工 | 歌舞練場棟2025年1月、ホテル棟2025年3月 |
位置図

お問い合わせ先
NTT都市開発株式会社
広報室 鈴島・小張
Tel.03-6811-6241
宮川町お茶屋組合組合長 大石美千代様コメント
最初にお話しをいただいた際には、メタバース自体がよくわからず正直戸惑いがありました。しかし、以前の宮川町歌舞練場がそのままに再現されていますのを拝見し、大変な驚きとともに、昔の記憶がよみがえって懐かしくまたうれしい気持ちで一杯です。
古いものが新しい技術で蘇る、私にとりましては想像も付かない世界でしたが、デジタルの世界に慣れ親しんだ若い方にとっては逆に親しみやすのかもしれません。この空間を通じて、多くの方と京都の花街、宮川町の世界との出会いが生まれますよう願っております。
旧歌舞練場で催しておりました春の風物詩「京おどり」は、新歌舞練場建設中のため、今年は京都芸術劇場「春秋座」にて4月1日から9日まで開催いたします。
このたびの新しいデジタル空間で花街・宮川町を知っていただき、ほんまもんの京都の街にお出でいただけますよう、よろしゅうおたの申します。