ヒートアイランド対策
屋上緑化活動
都市の気温が周辺に比べて高くなる「ヒートアイランド現象」は、生活上の不快、熱中症をはじめとする健康被害、生態系の変化といったさまざまな問題を引き起こします。NTT都市開発は、都市部を中心に総合不動産事業に従事する企業として、ヒートアイランド対策に取り組んでいます。
NTT都市開発グループでは保有する一部物件(オフィスビルや有料老人ホーム)の屋上で、サツマイモなどの食用作物を利用した緑化の試みを実施しています。サツマイモの大きな葉によるヒートアイランド緩和効果は大きく、晴天時に屋根表面温度が最大22℃低下する効果が確認されています。こうして蓄積した知見とノウハウを、オフィスや住宅に活用しています。
アーバンネット上名古屋ビル(愛知県名古屋市)では、入居テナントの皆様のほか近隣の保育園と協働しながら、サツマイモによる緑化の取り組みを継続して行っています。初夏に「苗定植会」、秋に「収穫祭」を行い、地域交流や環境教育に役立てています。2018年11月に開催した収穫祭では、入居テナントや近隣の保育園の子どもたち約40名にて、アーバンネット上名古屋ビル屋上で育ったサツマイモを収穫しました。収穫量は例年並みの約200kgとなり、収穫後はサツマイモを使ったスイーツの試食や、アーバンネット上名古屋ビルにおける取り組みをわかりやすく説明し、保育園の子どもたちにも楽しみながら、環境への理解を深めていただきました。
また、サービス付き高齢者向け住宅として2017年7月に新規オープンしたウエリスオリーブ武蔵野関町(東京都練馬区)でも、サツマイモによる屋上緑化を行っています。
こうした取り組みはヒートアイランド対策の一助となるとともに、将来を担う子どもたちを含め、地域の皆様に環境への理解を深めていただくことにもつながっています。
多角的な対策の実施
ヒートアイランド対策としては、グループをあげてさまざな取り組みを行っています。基町クレド、秋葉原UDX(東京都千代田区)などでは、霧を人工的に発生させ、周辺温度を下げる「ドライミスト」を設置しています。日本の伝統的な「打ち水」にも、積極的に取り組んでいます。2018年にはNTTグループ10社で、打ち水を次々にバトンタッチしていく「打ち水リレー」を秋葉原UDXにて行いました。また、大手町ファーストスクエアでは、7月の恒例イベント「大手町ファーストスクエア夏祭り」にてビーチに見立てたステージでダンスショーなどを開催し、賑わいを高めるとともに、打ち水を行って環境保護の意識の共有を図りました。
九州支店では、毎年「天神打ち水大作戦」に参加しています。「We Love天神協議会」会員の商業施設と企業・団体18社の約90名が色とりどりの浴衣を着て一斉に打ち水を行い、天神エリアに涼を呼びました。
このほかNTT都市開発では、植栽の配置、駐車場の緑化、保水性のある舗装材の採用を行うなど、ヒートアイランド現象の緩和に向け、保有物件のある各地域において多角的な取り組みを行っています。